口腔がんってどんな病気?②

神戸市東灘区岡本にある歯医者さん、阪急岡本駅から徒歩2分の岡本歯科ロコクリニックです。
前回に引き続き口腔がんのお話をしたいと思います。
がんが進行するとしこりが大きくなりますが、しこりが目に見えたり、触ることができたりする外側へと大きくなるもののほかに、発生場所から周辺の深部へと入っていくものがあります。後者では気づくのが遅れやすく、予想以上に進行している場合があり、腫瘍の形成による痛みや出血が現れて初めて気づくことになりがちです。
がんがさらに大きくなると話しづらくなったり、食事がしにくくなったり、口が開かなくなったりします。また、病変部位が腐ることから悪臭を発するようになったり、歯のぐらつきが見られるようになったりすることもあります。このような段階になると、がん細胞が血液やリンパ液にのって体内の各所へ散らばり、たどり着いた先で増殖を始めている可能性も出てきます。なかでも頸部のリンパ節への転移が高い頻度で起こります。また、血液の流れに乗って転移する遠隔転移では、口腔がんの場合、肺への転移が多く認められます。

診断では、まず病変部分の視診・触診により良性か悪性かの判断やがんの進行状況の推定などが行われます。その際、鼻腔からファイバースコープを入れ、咽頭や喉頭などを観察し、病変の広がりなどを確認します。触診では、頸部や頭部のリンパ節の膨張などの有無を判断します。続いて、CTやMRIなどの画像診断を必要に応じて行い、リンパ節転移や遠隔転移などの状況を把握します。そして、病変部分の組織の一部を切り取り、病理組織学的診断を行い、最終的な確定を下します。
治療方法は、「手術(がん切除)」「放射線治療」の二つが主で、「化学療法(抗がん剤)」は補助的に用いる場合が多いです。
がんが比較的小さく、頸部リンパ節への転移が認められない早期がんの場合は切除手術を行います。なお、歯肉がんや口蓋がんの場合は、粘膜のすぐ下に骨があるので、骨を含めての切除となります。削除箇所が小さい場合は、摂食・嚥下や発話などの機能障害については軽微で、日常生活上の問題はほとんどないケースもあります。
口腔内は、どこの領域をとっても摂食・嚥下・会話などと深く関係するので、できるだけ機能や形態を温存したいものです。こうした観点から有効な治療法が放射線治療です。放射線治療単独で根治を目指す根治照射のほか、手術の前後に用いる術前照射、術後照射があります。なお、放射線治療中には、皮膚炎、粘膜炎、味覚障害などが起こりうる副作用です。
手術や放射線治療の補助療法として行なわれることが多い療法で、初期の口腔がんに用いられることは少なく、病期の進んだ場合に用いられます。
口腔がんは体内にできるがんとは異なり、実際に自分で見て触って確認することができます。異変を感じたらよく確認しましょう。2週間経っても治らない場合は検査をすることをおすすめします。

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