神戸市東灘区岡本にある歯医者さん、阪急岡本駅から徒歩2分の岡本歯科ロコクリニックです。
なぜ人は歯磨きをしなければならないのか、と誰かに聞かれたらどんな答えを返すでしょうか?まずは社会生活におけるエチケット、つまり他人に不快な思いをさせないためという答えが1つ考えられます。また虫歯や歯周病といった歯科疾患にかからないため、と答える人も多いでしょう。
それではなぜ歯磨きをしないと人に不快感を与えてしまうのか、なぜ歯磨きをしないと虫歯や歯周病になってしまうのか。実はその疑問の中にこそ歯磨きをしなければならない重要なポイントがかくされています。今回はこのポイントに注目しながら、歯磨きの大切さについてお話したいと思います。
まずは「なぜ歯磨きをしなければならないのか」という疑問の答えを、3つのポイントにわけてお話していきますね。
虫歯や歯周病、口臭など、私たちを何かと悩ませる口のトラブルの多くは目には見えない細菌が引きこしています。
私たちの口の中に生息する細菌は、しっかり歯磨きをする人でも1000~2000億個ほど、まったく歯磨きをしない人になると6000億個とも1兆個になるともいわれています。ちなみに少し汚い話になりますが、健康な成人の便1gあたりの細菌数が300億~1000億個といわれており、口の中にはいかに多くの細菌が住み着いているかがよくわかります。
これらの細菌すべてが悪い菌というわけでなく、口腔環境を整えるうえで重要な役割を担っている菌も多く存在しています。とはいえ細菌の良し悪しに関係なく、歯を磨かなければ口の中でますます細菌が増殖していく一方であることは間違いありません。
細菌を減らすだけなら、歯磨きでなくても水でブクブクうがいをすれば洗い流せるのでは?と思う人もいるでしょう。しかし口の中の細菌はそう一筋縄ではいきません。
口の中の細菌たちは互いに共存できるよう、様々な種類の菌が塊をつくって生息します。この細菌の塊が『プラーク』と呼ばれるもので、プラークはさらに『バイオフィルム』という膜で守られています。
バイオフィルムで覆われているプラークは、うがいで洗い流す程度の力では落とすことができません。身近な例で例えるなら、キッチンの排水溝にできるぬめりもバイオフィルムの一種です。水洗いだけであのぬめりを落とすことが不可能であることは多くの人がご存知のはずです。歯の表面に付着したプラークは排水溝のぬめりを落とすときと同様に、ブラシでゴシゴシ磨くことでしかきれいに落とすことができないのです。