こんにちは。ロコクリ歯科衛生士の千坂です。
今日は高齢者の口腔ケアのポイントについてお話します。
高齢になると身体にも色んな変化が出て来ますよね。それは口の中も例外ではありません。
高齢者の口腔内で起きている問題を見ていきましょう。
●自浄作用が低下している
●虫歯や歯周病が多い
●味覚が変化する
●口腔内が乾燥する(ドライマウス)
などがあります。
次に口腔ケアをする事によってのメリットを紹介します。
●唾液の分泌を促進する
●感染症や発熱を予防する
●認知症を予防する
他にも以下のようなメリットがあります!
●誤嚥性肺炎を予防する
嚥下(食べ物を飲み込むこと)機能が衰えると、食べ物や唾液が食道を通らずに気管に入ってしまうことがあります。このときに口の中の細菌が肺に入って起こるのが「誤嚥性肺炎」です。口腔内の汚れや細菌を減らすことは、誤嚥性肺炎の予防につながります。誤嚥性肺炎は高齢者の命にかかわることもある怖い病気なので、しっかり予防することが重要です。
●口腔機能の低下を防ぐ
高齢者は、「噛む」「飲み込む」「呼吸する」「話す」「表情を作る」といった口腔機能全般が低下し口腔機能が衰えると、十分な栄養が摂取できなくなり、免疫力の低下や摂食障害につながります。口腔ケアを通して口腔機能を向上・改善すれば、体全体の健康の回復が期待できます。
特に誤嚥性肺炎の予防や口腔機能低下予防は重要だと思います!
それでは、ここからはケアのポイントについてお話しします!
高齢者の方の口腔内は乾燥や食べ残しが付いていたり、痂皮(唾液や粘液が乾燥して固くなったもの)で粘膜がカピカピになっていたりと一回の歯ブラシでは取れない汚れが沢山着いている方が多いです。
まずはスポンジブラシに口腔用リンスを付けてこびり付いている汚れを落として行きます。嗽の出来る方には嗽をしてもらいます。
痂皮や粘膜の汚れはゴシゴシを擦り取ると粘膜を傷付けてしまうので優しくふやかしながら取っていく事をオススメします。
リンスを付けたガーゼを指に巻き付けて拭うのも良いですね!
歯の残っている方はブラッシングをしていきます。
先ずは歯磨剤を付けないで大きな汚れを取り除いていきます。
高齢者の方は孤立歯や残根歯も多数存在するので、普通の歯ブラシで磨くのが難しい場合があるのでその時は一歯ずつ磨く歯ブラシ(ワンタフト)を使って一本ずつケアをして行きます。
隣り合う歯が残っている方は歯間ブラシで歯と歯の間の汚れを取って行きます。
舌苔は舌ブラシを使ったりスポンジブラシを使って舌の縁→舌の中央の順で奥から手前に拭き取って行きます。その時も力を掛けずに優しく拭き取っていってください。喉の奥までスポンジブラシを入れてしまうと、嘔吐反射が起きるので注意してください!
少しでも皆さんの健康寿命が長くなりますように(^ ^)