神戸市東灘区岡本にある歯医者さん、阪急岡本駅から徒歩2分の岡本歯科ロコクリニックです。
では、実際にどのようなトレーニングや手術で、舌小帯短縮症の改善を目指すのでしょうか。
舌小帯短縮の程度が軽度の場合は、舌を上手に動かすトレーニング(舌の機能訓練)を行うだけで、症状が軽減される場合もあります。
主なトレーニングの目的と内容は次の通りです。
正しい舌の位置を覚える。舌小帯短縮症の人は、舌が上あごについていないため、歯並びや顎の骨格に影響が出てしまうことがあります。常に正しい位置に舌を付けることができるように指導を受けます。
正しい飲みこみ方を覚える。舌小帯短縮症の人は、飲み込むときの舌の位置にも問題があることが多いですので、正しい飲みこみ方を覚えることで、徐々に舌小帯を伸ばしていくように訓練します。
口の周りの筋肉の使い方を覚える。舌が動きにくいために、舌をほとんど使わずに発音する人も多くいます。口の周りの筋肉を正しく動かして発音することで、発音の悪さや滑舌の悪さを改善します。
すでに歯並びや顎の骨格に舌小帯短縮症の影響が見られている場合は、滑舌を良くするトレーニングを実行しながら、マウスピースを装着して歯並びや噛み合わせ、受け口を矯正していきます。マウスピースによっては舌の位置を矯正することもできますので、舌小帯短縮症のトレーニングが早く進むこともあります。
トレーニングだけでは舌の動きを改善するのが難しいと判断された場合には、舌小帯を切る手術(舌小帯伸展術)を行います。
ですが、舌小帯を切っただけでは、舌小帯短縮症による不便は解消されません。そのままでは、舌小帯が短かったときと同じような話し方や発音になってしまいますので、手術の後は、動きやすくなった舌を上手に使いこなせるようにするために、舌の機能訓練をかならず行います。正しく発音するための舌の動きの訓練をし、舌の筋力を鍛えることで発音障害を改善していきます。
舌小帯伸展術は、保険対象内の手術です。3割負担で3千円程度、時間にして10分程度の手術になります。麻酔をしてから行いますので、痛みは特にありませんが、いつの時期に実施するのが良いか担当医としっかりと話し合うことが必要です。あまり遅い時期に手術をすると、歯並びや受け口が深刻な状態になってしまうことがありますので、上の前歯が永久歯に生え替わった頃の7歳~9歳ごろに実施することが多いです。
滑舌の悪さや食事のし辛さなどが気になっている方は、一度歯科医院で相談してみましょう。舌小帯が関係している場合は、手術やトレーニングによってすぐに悩みを改善できることもあります。専門的な診断と治療によって、普段の生活をより良いものにしていきたいものですね。