神戸市東灘区岡本にある歯医者さん、阪急岡本駅から徒歩2分の岡本歯科ロコクリニックです。待ち時間の少ない、ほぼ無痛(痛くない)虫歯治療、しっかりとした説明、日曜診療などに取り組んでいます。
妊娠中、授乳中に歯が痛くなることもありますよね。今回はそんな時のお話をしたいと思います。
基本的に歯科治療ができない時期というのはありません。おかあさんのからだの状態、赤ちゃんの状態を併せて、それぞれの時期(前期・中期・後期)での歯科治療の留意点を考えてみましょう。
(1) 妊娠前期の歯科治療(妊娠1ヶ月から4ヶ月)
妊娠の初期は胎児の各器官の形成期であり母体にとっても胎盤の成熟期です。したがって妊娠中で一番不安定な時期といえます。この時期の歯科治療としては、除痛を目的とした対処療法に留めた方が良いでしょう。妊娠の可能性のあるときは歯科医師に前もってお話しください。
(2) 妊娠中期の歯科治療(妊娠5ヶ月から7ヶ月)
中期は胎児、母体ともいちばん安定している時期といえます。この時期にできるだけの処置をすると良いでしょう。抜歯等の治療もほとんど問題はありませんが、特に不安を抱かれる方は可能なら出産後に処置しましょう。ただ、お薬の服用には注意点もありますので、歯科医あるいは産婦人科医の先生ともよく相談するようにしましょう。
(3) 妊娠後期の歯科治療(妊娠8ヶ月から10ヶ月)
妊娠後期になると子宮底がみぞおちのあたりまで上がり、心臓や肺も圧迫されるため、動悸や息切れが頻繁になります。
この時期もあまり問題なく歯科処置が可能ですが、ただ同じ姿勢を長く続けると腹部を圧迫し苦しくなることもありますので、治療時間など歯科医に相談されると良いでしょう。
◎ 妊娠中のレントゲン撮影について
わたしたちは日常生活の中で常に自然放射線と呼ばれている微量の放射線にさらさられており、これを自然被爆と呼びます。自然被爆には太陽や宇宙空間から降り注ぐものなどごく身近なところに多く存在しています。
妊娠中にレントゲン撮影をすると放射線による被曝が胎児に影響を及ぼすのではないかと心配される方も多いと思いますが、歯科でのエックス線撮影に際しての被爆は一日の自然被爆の約3分の1以下で、被爆としてはごく微量です。従って、過度に心配される必要はありません。
また、授乳中に麻酔や薬は大丈夫?と心配される方もいらっしゃいます。
授乳中に歯科治療を行う際に、局所麻酔注射が必要な場合があります。局所麻酔薬は母乳中に移行しますが、乳児に与える影響は少なく米国小児科学会の見解では授乳時にも使用してもよいとされています。
同様にお薬が必要なことがあります。多くの場合、母乳中に移行する量は母親に投与された薬の1~2%を超えることはありませんので、乳児に与える影響は非常に少ないと云われています。ただ、乳児の場合、特に生後1週間以内の新生児においては、薬を代謝する能力が不十分ですので注意が必要です。そのような場合は、人工乳(ミルク)を用意したり、事前に母乳を搾乳し保存しておくようにしてください。
母乳育児中の薬の飲み方の基本は、1日のうちで最も授乳間隔が空くように、できるだけ授乳の終了後に服用してください。母乳からの赤ちゃんへの影響を最小限にすることができます。
歯の痛みを無理に我慢するよりも、薬が必要な場合は服用し、早く楽になって赤ちゃんに笑顔で接してあげてください。