神戸市東灘区岡本にある歯医者さん、阪急岡本駅から徒歩2分の岡本歯科ロコクリニックです。
前回に続きいびきの治療のお話です。
いびきの原因がよくわからない場合やいびきがひどい場合、また長期間に渡っていびきが続いている場合は、一度耳鼻咽喉科や呼吸器内科などとともに「睡眠外来」を開設しているクリニックを受診することがおすすめです。なぜなら、睡眠時無呼吸症候群(SAS)である可能性があるからです。睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に突然10秒以上に渡って呼吸が止まった状態「無呼吸」が起こる病気です。または呼吸が完全には止まらないが、喉を通る空気の量が半分以下になった「低呼吸」状態が起こるという場合もあります。それまで「ぐお~」と大きないびきをかいていたのが、「ぐっ」と突然止まり、10秒以上経ってから轟音のようないびきが再開される、というようなリズムのいびきをかくようなら、睡眠時無呼吸症候群の可能性を考慮した方がいいでしょう。また睡眠時無呼吸症候群の問題は、いびきの音がうるさいことだけではありません。 無呼吸や低呼吸は体が酸欠状態になるということであり、深い眠りがとれなくなります。その結果、自律神経のバランスがくずれ、昼間に強烈な眠気に襲われる、集中力や免疫力が低下する、長く続けば高血圧や心筋梗塞を引き起こしやすくするなど、体にとってさまざまな悪影響を及ぼしてしまうのです。
睡眠時無呼吸症候群をはじめ、いびいきの治療には症状の程度により「マウスピース治療」「CPAP治療」「外科的手術」「生活習慣の改善」の4つがあり、これらを組み合わせて行います。
①マウスピース治療
就寝時に特殊なマウスピースを入れることで顎が下がるのを防ぎ、気道を確保する方法で、いびきの症状が軽度な場合の治療によく使われます。多くの場合透明で目立ちにくいのが特徴。のどの奥に脂肪がついている、元々下顎が小さいことなどがいびきの原因である場合のほか、口呼吸の癖があることが原因である場合にも効果が出ることが多いです。 マウスピースは医師からの紹介をもとに歯科医院で作ってもらいます。専門の医療機関から出された睡眠時無呼吸症候群の確定診断に基づいて作った場合は保険適用となります。
②CPAP治療
睡眠時に酸素マスクのようなものを鼻にあて、空気の圧力によって気道を広げる方法で、おもに重度の睡眠時無呼吸症候群の治療に使われます。 使用初日から効果が期待でますが、装置が必要なためにどうしても「治療中」であることがわかってしまいます。同居の家族や恋人に心配をかけないよう治療することができないという点がデメリットになります。
以上の2つは対症療法なので、いびきの症状を緩和することはできますが、いびきの原因を取り除くことはできません。そこでこれらと並行して、「生活習慣の改善」や「外科的手術」でいびきを引き起こしている根本原因をなくすことが大切になります。ダイエットや眠る姿勢の改善(仰向けではなく横向きに寝る)、アルコール量を減らす、喫煙を控えることなどで いびきがおさまることも珍しくないのです。
このように、いびきの治療は原因をしっかり見極めた上でそれにあった治療をすることが何より大切です。気になるようなら、睡眠外来や耳鼻咽喉科の受診もしてみてくださいね!