神戸市東灘区岡本にある歯医者さん、阪急岡本駅から徒歩2分の岡本歯科ロコクリニックです。待ち時間の少ない、ほぼ無痛(痛くない)虫歯治療、しっかりとした説明、日曜診療などに取り組んでいます。
お年寄りの歯の新常識があるってご存知でしたか?今回も引き続き、お年寄りにとって大切な、新たな歯のケアについてお話したいと思います。
今から5年後の2025年には、我が国の後期高齢者(75歳以上)の人口は約2180万人となり、日本人の5人に1人が75歳以上となります。「8020」の実現によって、自分の歯で健康で楽しく食生活を送ることができる高齢者の方々は今後も増え続けていくことでしょう。
そこで必要になるのが、お年寄りの歯のケアに関する「新常識」なのです。いったいどういうものなのでしょうか?
まず、歯がたくさん残っていることはもちろんとても良いことですが、いっぽうでそのために起こってしまいがちなお年寄りならではの問題がいくつも出てきています。代表的なものを3つ挙げたいと思います。
まず最初は、「むし歯」です。
「むし歯なんて年齢に関係ないじゃないか」と思ったあなた。いやいや、そうではないのです。いったいどういうことなのでしょうか。
高齢者になると、歯を支えている骨、歯槽骨が下がってきます。それにともなって、歯肉も下がってきてしまいます。そうすると、歯肉も下がってしまい、「エナメル質」という本来露出などすることもない部分が外界にさらされ、むし歯を引き起こしやすくなるのです。
「根面う蝕」と呼ばれるこうしたむし歯は、時間をかけて形成されていきます。そのため、自分では気が付かないままに進行しやすいですし、また全周にわたって根面が表に出てきてしまうため、治療が難しくなるケースもあるので注意が必要です。
次に、「歯周病」です。
歯周病は高齢者に特有なものではありませんが、高齢者になればなるほど歯周病になってからの時間が経過しているので、進行してしまっているケースが多く見られます。
歯周病にかかると、食べかすなどをエサにした歯周病菌が毒素を吐き出して骨を溶かしていきます。そして、歯肉が下がって最終的には歯がグラグラして抜け落ちてしまいます。抜けた歯をそのまま放置しておけば、咬み合わせが悪くなりしっかりと食事ができないため、歯だけでなく全身の健康状態も悪化してしまいます。
最後に、「歯ぎしり」です。
高齢者になると、咬む力によって歯が削れたり、かけたり、割れたりする現象が起きやすくなります。これを「咬合性外傷(こうごうせいがいしょう)」と言います。その原因は夜中に知らず知らず起こしてしまっている『歯ぎしり』によるものです。寝ているときに行われる歯ぎしりは、起きているときの5倍から7倍、最大100キロほどの力が毎日睡眠時に歯に加わっているのです。
この大きな力を何年も受け続けることにより歯はかけたり、割れたりします。特に、むし歯の治療などで神経を失った歯はさらにもろくなっていて、割れやすいのです。根が割れてしまった歯は残念ながら抜くしかないのです。