神戸市東灘区岡本にある歯医者さん、阪急岡本駅から徒歩2分の岡本歯科ロコクリニックです。待ち時間の少ない、ほぼ無痛(痛くない)虫歯治療、しっかりとした説明、日曜診療などに取り組んでいます。
今回は、皆さんも一度は経験したことがるのではないかと思われる「歯が浮くような感じ」についてお話ししたいと思います。
「歯が浮く」という言葉は、日本語の慣用句としてもある種の不快感を表す言葉として使われていますが、実際に「歯が浮く」ような違和感を感じたことがある方も多いのではないでしょうか?
この慣用句のもともとの意味は
「酸っぱいものを食べたり、不快な音を聞いたりした時に、歯の根が緩んで浮いたような感じになること」と言われておりますが、そのほかにも
• 疲れているときや風邪をひいたときに、歯が浮いたように感じる
• 歯の治療後、歯が浮いたような感じが続く
• 硬い食べ物を食べた後に、歯が浮いたようになる
• 緊張している時に、歯が浮いたようになる
など、人によって、さまざまなシーンでこのような違和感を感じていらっしゃいます。
それでは、なぜ、「歯が浮いたように」感じるのでしょうか?
●「歯が浮く」ように感じる原因と対策
歯が浮くという感覚の主な原因は、 「歯根膜」という組織がダメージを受けてしまったことによるものです。
歯根膜とは、歯と歯を支えている骨との間にある膜のことで、噛んだ時の力を分散させるクッションの様な働きをしています。
また、この膜の中にはたくさんの神経や血管、リンパ液などが流れており、歯に栄養を送り届ける役割も果たしています。
しかし、何かしらの原因でこの歯根膜がダメージを受けてしまうと、歯根膜は、血液やリンパ液の流れる量を増やしてそのダメージを回復させようとします。
流れる血液やリンパ液の量が増えると、歯根膜自体も厚くなります。これが、「歯が浮いたように感じる」原因となるのです。
それでは、それぞれの症状について、主な原因と対策についてご紹介していきます。
①疲れているときや風邪をひいたときに、歯が浮いたように感じる
歯周病や、根の先に膿が溜まっていることが原因であるケースが多いです。
疲れているときや風邪をひいたときに歯が浮いたように感じるのは、普段は身体が持つ抵抗力によって抑えられていた炎症が、体の抵抗力が落ちることで抑えられなくなってしまい、症状として表れて来てしまったことによるもの。
疲れや風邪が治れば歯が浮いた感じもなくなるのでなんとなくそのままにしてしまいがちですが、炎症が抑えられているからと言って歯周病や根の先の膿がなくなっているわけではないので、歯科医院でしっかりと診てもらう必要があります。
歯周病の場合は、歯科医院での定期的なメンテナンスとご家庭でのブラッシングで改善する場合も多々ありますが、根の先に膿がある場合は自然に治ることはありません。むしろ、放置していると膿の袋はどんどんと大きくなってしまいます。
症状が進んでしまうと治療も難しく、大掛かりなものになってしまうので、症状が軽いうちに歯科医院で治療して貰うようにしましょう。