神戸市東灘区岡本にある歯医者さん、阪急岡本駅から徒歩2分の岡本歯科ロコクリニックです。
今日は歯を抜く理由についてお話したいと思います。
歯を抜かなければいけない理由には色々な場合があります。
歯を抜く原因にはむし歯と歯周病が主になります。しかし、むし歯だから、歯周病だからと言われても・・・。そんな方いらっしゃいませんか?少し詳しく説明させていただきます。
・虫歯
歯は、細菌の出した酸に晒されると溶けてしまいます。
歯が溶かされるとそこは柔らかくなります。
柔らかい部分が噛む力などで崩されて、穴があきます。
これが虫歯ですね。虫歯が進んでしまうと柔らかい部分が増えて穴も大きくなります。虫歯が進行して治療(回復)不可能となると抜歯 となります。
例えば、虫歯が歯肉の下まで進んでしまっている場合です。虫歯をとりきる事は出来ても、形を回復することが出来ません。回復が見込まれる場合もまれにありますが、それを除き治療(回復)不可能の為、抜歯 となります。
次に、歯が弱くなっている場合です。歯は硬い組織ですが、その中に多くのコラーゲン繊維を含んでいます。その為、歯が溶かされても形は維持されて柔らかくなります。
(酸によって歯の無機成分が抜け落ち、有機成分だけが残る為です。)
この場合、歯は残っているものの、柔らかいため噛み合わせに耐えられません。
この場合も治療(回復)不可能の為、抜歯 となります。
・歯周病
歯は、歯肉や歯槽骨といった組織に支えられています。
専門的には歯が生えている状態の事を「植立(しょくりつ)」といいます。
つまり歯は、歯茎に植わっています。例えば土砂崩れが起きたとします。雨水で土が洗い流されると土砂崩れでは倒木が起こります。この時倒される木々は、枯れている訳ではありません。葉の生い茂った大きな木でも、支えを失えば倒れてしまいます。歯も同じことが言えます。虫歯になったことがない元気な歯でも支えとなる「歯周組織」を失えば倒れてしまいます。「成人の8割が歯周病」と言われる日本では成人の8割が歯を失うリスクを抱えている
とも言えるかもしれません。
歯周病は加齢によって進行するというのは誤りです。歯周病は、10代・20代でも進行する細菌感染症です。進行が著しく、治療不可能と診断されると抜歯になります。
・歯の破折(はせつ)
歯には日々、繰数十㎏の力が加わります。何度も噛み合い、繰り返されます。睡眠時の歯ぎしりでは百㎏の力が加わることも。歯と歯の接触点(面)では、磨耗によって平滑な面が形成されていきます。一方で、接触しない部位では、歯を支え支持することで負担が強くかかります。
ゴムボールを上と下から潰すとボールは潰れて横に伸びます。歯でも同じことが起こります。
上から受けた力を横に逃がしながら力を受けます。結果、歯が横に広がる力が加わります。
歯はゴムのように伸びることが出来ないので亀裂が入ります。これが日々繰り返されます。
亀裂は増え、集まって大きくなります。すると歯は、力に耐えきれなくなります。先ほどはゴムボールで例えましたが卵ではどうでしょう。テーブルにコツコツと当てると小さなひびが入ります。繰り返すとひびは増えていきます。さらに繰り返すと大きいひびが入り最後には割れてきますよね。歯も同じです。繰り返し繰り返し力を受けることで割れてしまうことがあります。歯の一部が部分的に割れるのであれば治すことができますが歯の根まで割れてしまうとやはり治療が出来なくなってしまいます。この場合も、むし歯や歯周病がなくても、抜歯となってしまいます。
・親知らず
親知らずは口の奥にあり治療が困難な場合があります。また歯ブラシもうまく出来ないことが多いために抜歯を勧められることが多いです。また親知らずは、まっすぐ生えてくることが少ないです。横に向いて生えてしまうと歯の一部だけが外に出てきてしまいます。この場合も歯を磨くことが難しく、まだ生えていないのに虫歯や歯周病になることがあります。更に悪いことに、一つ手前の歯を巻き込んでしまうことがあります。
隣の歯が一緒にむし歯になってしまうと、上に書いたように歯ぐきの下でのむし歯が起きます。そうなると、親知らずと手前の歯の2本を抜かなければならないケースも。そうならないようにも、抜歯を勧められます。
5その他
歯が出てくるのを妨げている子供の歯や、歯並びを治すための、矯正時の抜歯
腫瘍・癌に含まれる歯の抜歯 など他の部位を守る為の、やむを得ない抜歯などがあります。
色々ありますが、歯を抜かなくてすむように、定期的な歯科検診が大切です。最近行ってないなぁという方は是非ロコクリにご予約くださいね!