神戸市東灘区岡本にある歯医者さん、阪急岡本駅から徒歩2分の岡本歯科ロコクリニックです。
さて、今回は「オーラルフレイル」についてです。
皆さんは、オーラルフレイルという言葉をご存じでしょうか。フレイルというのは、「高齢衰弱」という意味であり、「健康と要介護の中間的段階」を意味します。フレイルは体全体の状態を指し、オーラルフレイルとは特にお口の状態を指します。そしてオーラルフレイルは、フレイルの早い段階から起こりやすい歯と口の機能の低下といえるでしょう。
では、歯と口の機能の低下が、健康から要介護状態へと変化していく中でどのように影響を及ぼすのでしょうか。
歯と口の機能の低下によってまず起こるのが、咀嚼・嚥下障害です。難しい言葉で書きしたが、つまりは噛む力と飲み込む力が弱くなるということです。「歯の機能低下」で思い浮かぶのは、歯が痛い、歯茎が痛い、歯を失う、入れ歯が痛い…。また「口の機能低下」で思い浮かぶのは、口が渇く、舌をうまく動かせない、うまく飲み込めない、むせやすい…。これではうまく食事を摂れませんよね。
咀嚼・嚥下障害によって、食事の摂取がうまく行えなくなります。食事の摂取がうまく行えなくなるとどうでしょう?日々の活動の源は、毎日の食事です。この食事がうまく摂れなければ栄養状態を悪化させるでしょう。そして低栄養状態となってしまうのです。低栄養状態となってしまうと、それに引き続いて日々の活動量・筋力が低下してしまいます。この悪循環に嵌り、抜け出せないと全身のフレイルの進行に強く影響していきます。
では、フレイルの状態になりこの悪循環に嵌ってしまうとかならず要介護になってしまうのでしょうか?ご安心ください。早めに対策を打てば、健康な状態に戻れる可能性があるのです。フレイル対策は様々ありますが、今回はオーラルフレイルの予防策をお話します。
まず、最近のお食事・生活を思い浮かべてみてください。よくむせる、食べこぼす、噛めない食品が増えた、滑舌が悪い、などの症状がある方は、オーラルフレイルが始まっている疑いがあります。そんな時、どうすればよいでしょう。
一つ目は、歯と口を清潔にすることです。
・1日2回以上の適切なブラッシング
できれば毎食後+αが望ましいですが、適切な頻度のブラッシングの習慣がない方は、まずは1日2回を確実に行うことを目指しましょう。1回の時間に決まりはありませんが、テレビを見ながらなどのながら時間を使うと気づいたら3分、5分と経っているでしょう。
・歯間清掃
全く習慣のなかった方がデンタルフロスや歯間ブラシの使用を始めるのはもしかしたらハードルが高く感じるかもしれません。毎日(ひいては毎食後)が理想ですが、最初は3日に1回、2日に1回、から始めてみてはいかがでしょう。フロスや歯間ブラシは入れ方にコツがいる場合があるので、一度かかりつけの歯科医院で教えてもらうことをおススメします。
・洗口
デンタルリンスなど薬局で手軽にお求めいただけます。歯間清掃よりも取り組みやすいかもしれません。アルコール含有タイプとノンアルコールタイプなど、様々な種類があるので、最初は小さめのものを購入し自分の好みに合うものを探してみてはいかがでしょうか。