神戸市東灘区岡本にある歯医者さん、阪急岡本駅から徒歩2分の岡本歯科ロコクリニックです。待ち時間の少ない、ほぼ無痛(痛くない)虫歯治療、しっかりとした説明、日曜診療などに取り組んでいます。
今回は歯の治療で多く使われる麻酔についての内容です!
麻酔が効きやすい人と効きにくい人に違いがあるのでしょうか?
歯の治療においてよく使われる麻酔。
使う麻酔薬は同じでも、麻酔を打つ部位や方法によって効きやすさが異なります。
麻酔薬にもいくつか種類がありますが、麻酔の効果に大きな差はありません。
つまりどの麻酔薬を使っても、痛みを遮断するという根本の役割は変わらないということです。
しかし、実際に治療時に麻酔をしても少量の麻酔でしっかり効く場合と、これでもかというほど麻酔をうっても効きが悪い場合とがあるのは事実です。
何に差があるのでしょうか?
●麻酔の効果は麻酔の針を刺す部位によって違う
むし歯の治療を行う際に単に麻酔をするといっても、実は歯医者さんは針を刺す部位を微妙に変えているのです。
歯ぐきに麻酔の針を刺すということには概ね変わりはないんですが、歯ぐきのどこに針を刺すのかということです。
細かく歯ぐきのここら辺にうつとか、そこにうった後ここにうつなどといった話をここでしても仕方ないのでそのあたりの内容は省略します。
しかし、初めから短時間でしっかり効かせようとするとそれなりに麻酔自体が痛いということも否めません。
●麻酔の効果はどの部位の治療を行うかによって違う
麻酔が効きやすい、効きにくいの違いは治療をする部位によって差があります。
つまり、上の歯なのか下の歯なのか、前歯なのか奥歯なのかということです。
下の歯より上の歯のほうが麻酔が効きやすく、奥歯より前歯のほうが麻酔が効きやすいのです。
麻酔の効きやすい順番は以下の通りです。
上の前歯、上の奥歯、下の前歯、下の奥歯
よく「下の親知らずを抜歯したときに麻酔が効きにくかった」という話を聞きますが、下の親知らずは下の一番奥の歯なので、歯の中で一番麻酔が効きにくい部位だからなのです。
●麻酔の効果は症状(炎症)の度合いによって違う
麻酔を使うタイミングは症状が強くて麻酔をしないと治療ができない場合と、抜歯のように今は症状は強くないけど治療の際に強い痛みを伴う場合とがあります。
痛みがあるときは強い炎症を伴っている場合で、痛みがないときは炎症は弱い場合ですが、これらによっても麻酔の効きやすさに差が出てきます。
組織が炎症を起こしているとき、組織は酸性に傾いています。
麻酔薬はアルカリ性で、炎症を起こしている酸性の組織に麻酔薬を作用させても、それが中和されてしまい効果が薄れてしまうのです。
炎症が強いほど酸性に傾いていて、麻酔が効きにくくなってしまうのです。
「下の親知らずが痛くなったので抜歯してほしい」という患者さんも多くいらっしゃいますが、下の奥歯で炎症が強い場合は最も麻酔が効きにくい状況なので、その日に抜歯することはやめましょうと言うこともあります。
その場合は抗生物質や消炎鎮痛剤、うがい薬などを処方して炎症が収まってから抜歯を行います。
下の奥歯がむし歯でズキズキ痛いといった場合も同様で、麻酔が非常に効きにくいことがあります。
このように、麻酔の効きやすい、効きにくいというのはいろいろな要因があるんですね。
骨の厚みや質は人によって差がありますので、それを考えると麻酔が効きやすい人と効きにくい人がいるということが理解していただけたと思います。
しかし、同じ人でも麻酔をする部位や炎症の度合いによって麻酔が効きやすい場合と効きにくい場合があるということもわかっていただけたと思います。
今後もし歯医者さんで麻酔が必要な治療を行う場合は、今回の内容を頭に入れて治療に臨んでいただけたら心の準備ができるかもしれませんね!