神戸市東灘区岡本にある歯医者さん、阪急岡本駅から徒歩2分の岡本歯科ロコクリニックです。口の中の代表的な病気と言えば、虫歯と歯周病を連想すると思います。
ただ、もう一つよく耳にする病名として歯肉炎も挙げられますね。歯肉炎とはどのような病気なのでしょうか。そこで、今回は歯肉炎について説明していきます。
歯肉炎とは、文字どおり歯茎…すなわち歯肉が炎症を起こす病気であり、
見た目として歯肉が腫れあがっている状態のことを示します。
大人に限らず子供にも発症し、まだ乳歯の小さな子供においても例外ではありません。
歯肉の状態は赤く腫れ、またその影響で出血しやすくなるため、
食事や歯磨きの時に出血するようであれば歯肉炎を疑った方が良いでしょう。
痛みを感じることはないため、自分では発症に気づかず、検診時に発覚するケースが多い病気です。
歯肉炎の原因はプラークで、その点は虫歯と同じです。
プラークとは細菌の棲み処であり、プラークの中には億単位の数の細菌が存在しています。
このプラークが口の中で停滞することで歯肉炎は発症、細菌によって歯肉が炎症を起こしてしまうのです。
とは言え、身体には抵抗力・免疫力といった防御機能が備わっています。
そのため、「プラークが蓄積する=すぐに歯肉炎になる」というわけではないですが、
身体の抵抗力・免疫力が低下していると発症しやすくなり、また悪化しやすくなるでしょう。
歯肉炎と歯周病はイコールであり、歯肉炎は初期段階の歯周病に該当します。
元々「歯周病」と呼ばれるようになったのは比較的最近で、現在歯周病は3つの進行度に分けられており、「歯肉炎=初期の歯周病」、「歯周炎=中期の歯周病」、「歯槽膿漏=重度の歯周病」であり、言い換えれば歯肉炎とは初期段階の歯周病でもあるのです。
「歯肉炎=初期の歯周病」ですが、初期段階の歯周病は言わば本格的な歯周病になりかけの状態です。
実際、歯周病は歯を支える歯槽骨を溶かしてしまう病気ですが、
それは歯周病が進行した場合に起こるもので、歯肉炎の状態で歯槽骨が溶かされることはありません。
ただ、歯肉炎が進行すれば歯周炎、歯槽膿漏…本格的な歯周病への進行してしまいます。
最も、子供の場合は大人に比べて代謝も活発なため、歯肉炎が歯を失うほど進行することはないでしょう。
とは言え、100%進行しないとは言い切れず、そのため歯肉炎の段階で確実に治さなければなりません。
歯肉炎の段階では虫歯のような治療は必要なく、プラークコントロールさえしっかりできていれば治ります。
具体的には、デンタルフロスや歯間ブラシを使った精度の高い歯磨き、
さらには唾液の分泌量を高められるよう鼻呼吸や食事の時によく噛む心掛けも大切です。
また、ブラッシングそのものの精度を高めるために歯科医院で歯磨きの指導を受けるのも効果的で、
歯磨きの精度を高めることと生活習慣の改善をすることで確実に治せます。
これらを実践すれば、歯肉炎を治すだけでなく同時に虫歯予防にもつながります。
歯肉炎が発症するリスクは各々で差があり、例えば歯並びが悪い人は歯肉炎になりやすく、
その意味では歯並びと歯肉炎の発症には深く関係があると言って良いでしょう。
歯並びが悪いと噛み合わせが悪くなり、噛み合わせが悪いと口呼吸になります。
実はこの口呼吸が問題で、口呼吸によって口の中が乾燥すると、
歯肉炎…すなわち歯周病の原因菌の働きが活発になってしまうのです。
また、歯並びが悪ければ歯も磨きづらく、正常な歯並びの人に比べて磨き残しも多くなってしまいます。
歯肉炎によって歯肉が炎症を起こしたとしても、歯や歯肉に痛みを感じることはありません。
その点だけに注目すれば虫歯に比べて軽い症状に思うでしょうが、
歯肉炎は初期段階の歯周病のイコールであり、進行すれば本格的な歯周病になってしまいます。
少しでもあれ?と思われたら、早めにロコクリにいらしてください!