神戸市東灘区岡本にある歯医者さん、阪急岡本駅から徒歩2分の岡本歯科ロコクリニックです。
前回に続き歯茎から出血があった時のお話です。
歯周病をそのまま放置するとリスクがあるのはご存知ですか?歯周病は様々な病気と関わりがあり、特に糖尿病とは深い結び付きがあります。糖尿病の90%以上の方は、歯周病に関わっているとも言われています。歯周病の原因となる歯周病菌には、血糖値を下げるホルモンのインスリンの働きを阻害し、症状を悪化させると考えられます。糖尿病患者が、歯周病治療を行った所、糖尿病の症状に改善が見られ、成果もあがっています。その他、歯周病の人は骨粗鬆症、心臓疾患、脳梗塞になる確率が高いとの報告もあります。
こうした病気を防ぐにも、歯周治療の必要性が重要だと分かります。歯茎から出血のサインあった場合は、とにかく放置をせず、検査・治療を進めることが大切なのです。
ここで、出血がある時にご自宅でできる3つのことについてご紹介します。
①適切な歯ブラシを選択する
歯茎から出血があると、ブラッシングをするのが怖くなります。出血をするからと、ブラッシングを怠ると、お口の中の細菌が更に活発になり症状を悪化させてしまいます。
歯周病の根本的な原因は歯垢なので、ブラッシングにより除去することで症状を改善していくことができます。ただ、出血と共に、痛みがあると、歯ブラシを当てるのもつらいものです。そんな時は、やわらかい毛の歯ブラシに変え、優しく磨いて下さい。
歯ブラシの毛の硬さや歯ブラシの大きさの、バリエーションは、意外とたくさんあります。
硬め・普通・柔らかめに分かれ、メーカーによっては、更に柔らかいSS(スーパーソフト)もあります。歯肉の術後や、歯周病で腫れがある時、出血がある時に使用する専門の歯ブラシもあります。
また、歯と歯茎の間や、歯並びの悪い所を磨く、毛先が筆の様な形態になっている、部分用歯ブラシもあります。歯科医院に相談して、自分に合った歯ブラシを選択しましょう。
②歯の磨き方を見直す
歯周病予防のために、強い力を入れてゴシゴシと歯を磨いていませんか?
磨く時に力を入れすぎることが、出血の原因となり、かえって歯茎の炎症を引き起こしているかもしれません。ブラッシングは、単にプラークを取り除くのみではなく、歯肉をマッサージする効果もあります。歯肉に適切な圧力を与えることで、歯肉の血液循環を改善させることも目指します。
歯ブラシの先端を歯と歯肉の境目を中心に45度の角度であて、細かく振動させるイメージで磨いて下さい。炎症がある時は決して強くこすらないようにしましょう。
ブラッシング時の出血が止まってきたら、歯と歯の間などのプラークを取り除く、補助清掃用具の歯間ブラシやデンタルフロスを使用することで、更なる改善が期待できます。
補助清掃用具を使用する時も、歯茎を傷付けないように、十分に注意しましょう。
ブラッシングの圧力は、手の甲に歯ブラシを当てて、毛先が広がらない程度の力が目安です。歯と歯肉の間に毛先を当てた時に気持ちが良いと感じる程度で行ってみましょう。
③歯磨き粉や洗口剤を変える
出血のある時に、刺激の強い歯磨き粉や、洗口剤を使用しないようにしましょう。
歯周病専用の、研磨剤の配合されていないジェル状の歯磨きペーストがあります。
洗口剤を選ぶ時も、アルコールの配合が高いものは、炎症に対して刺激が強いため避けましょう。刺激の少ない、歯周病菌の殺菌効果があるものを使用しましょう。