神戸市東灘区岡本にある歯医者さん、阪急岡本駅から徒歩2分の岡本歯科ロコクリニックです。
今回は抜歯についてのお話をしたいと思います。
抜歯の時、多くの方は歯を抜く瞬間の痛みを心配します。歯を抜くときは麻酔をするので、そこまで痛くないことがほとんどです。歯を抜いている最中よりも歯を抜いて麻酔が切れた後の方が痛いという人も多いでしょう。
とはいっても、抜歯後の痛みは痛み止めを飲むことである程度抑えることができますし、長く痛みが続く場合でも数日経てば痛みは徐々になくなっていくのが一般的です。抜歯の痛みは、抜歯する瞬間はもちろん、抜歯後もそこまで辛くないのが実際のところだといえるでしょう。
ところが、強い痛みがいつまでたっても治らない場合があります。そのような場合、ドライソケットが痛みの原因になっている可能性があります。ドライソケットとは何なのか、また、どのような症状や原因があるのか、治療法や予防法についても詳しく説明いたします。
ドライソケットとはどんなものでしょうか?またいつまで続くものでしょうか?
ドライソケットとは、ドライ(乾いた)ソケット(窩=あな)。つまり、乾いたあなを指しています。通常は抜歯をした後のあなには、血の塊ができ、特別な処置を施さなくても徐々にあながふさがっていきます。しかし、ドライソケットになると自然にあながふさがらず、ポッカリとあながあいて骨がむき出しになったままになってしまうのです。ドライソケットは「抜歯窩治癒不全」とも呼ばれています。
本来は抜歯をした後のあなには血液が溜まり、それがやがて固まって血餅(けっぺい=血の塊)になった後、歯ぐきとなってあなが塞がり、元通りの状態に治っていきます。しかしドライソケットでは、なんらかの原因であなに血の塊ができないために治りが遅くなり、さらに骨が出てしまっていることで刺激を受けやすい状態になり強い痛みとなって表れるのです。
下の親知らずを抜いた後にドライソケットが見られることが多く、下の親知らずの場合では抜歯後の2〜4%くらいに現れるというデータもあります。ドライソケットになると耐え難い痛みが10日〜2週間、ひどい場合だと1ヶ月も続いてしまうことがあります。
こんな症状があったらドライソケットかも!
1.抜歯後2、3日経ってから痛みが増してきた
抜歯後の痛みは通常、抜歯直後がピークです。麻酔が切れた施術後2~3時間後が、もっとも痛みを感じるときだと言えます。ドライソケットになってしまった場合は、麻酔が切れた瞬間よりも抜歯後2、3日経ってからの方が強い痛みを感じるようになります。2.痛みの程度がひどく、長引いている
痛み止めを飲んでもすぐ切れてしまう、痛み止めを飲んだのに効いているような感じがしないという症状がある場合は、ドライソケットを疑うことができるでしょう。「ちょっと痛いかも」といった程度ではなく、痛く過ぎて何も手につかないというような激痛が1週間以上続くこともあります。
3.飲食時に痛みがひどくなる
食べたり飲んだりする時に痛みがよりひどくなります。これは、ドライソケットによって抜いたところの骨が出てしまっていることにより起こります。食べ物や飲み物が神経部分に直接触れるわけですから、痛みも激しいものになると予想できます。
4.悪臭がする
ドライソケットになると、抜いたあなから悪臭がします。口臭が強くなったなと感じたり、話している相手の表情が気になったりしたときは、ドライソケットの可能性を疑ってみることができます。
5.あながポッカリと空いて白っぽい
骨が出てしまっているため、抜いたあなが大きく空いていて内部が白っぽく見えます。通常なら血の塊ができてきますので赤~濃い紫に見えることが多いのですが、白っぽい影が見えたらドライソケットの可能性を疑うことができるでしょう。