神戸市東灘区岡本にある歯医者さん、阪急岡本駅から徒歩2分の岡本歯科ロコクリニックです。
今日は、お口の中でどの歯が痛いか言い当てるのは実は難しいというお話をしたいと思います。
ロコクリに歯が痛い、と来られて、例えば右の奥のここが痛いんですと口頭でお聞きしていても、実際先生が歯をコンコン、と順番にさわってどこが痛いのか確認させていただくと全然違うところが痛んでいたなんてことがよくあるんです。
歯の痛みは口全体にひろがり、どの歯が痛いかは自分でさえわからなくなることがあります。そして歯の神経はつながっていたりするので自分の感覚と実際の痛む場所は違うこともあるんです。
お口の中でも、前歯ならわりとどの歯がおかしいかあまり間違えることなく言い当てても、それが奥歯にいけばいくほど正解率は低くなります。
先程のお話ですが、コンコンと歯を刺激して、どの歯を触れたかを回答する実験を行ったところ、3~5本の範囲内の歯を回答して、とくに1歯前方の歯と間違えやすく、第二大臼歯(前から7本目の歯)ではその手前の第一大臼歯と勘違いする人のほうが正解者より多くなるという結果があります。
ときとして、上下の歯痛の区別さえできなくなって違っていることもあるんです。下の奥歯にむし歯があって痛みの原因となっていても、上の奥歯が痛いと錯覚を起こすこと、またその逆も珍しくありません。
上の歯の痛みは顔面の知覚、運動をつかさどる脳神経である三叉神経の2番目の枝、下の歯の痛みは三叉神経の3番目の枝によってそれぞれ伝えられます。同じ神経から伝達される信号を脳自身が正確に判別できなくなっているからです。
私たちがどの歯が痛いか言い当てるのは難しいのは当然です。
そのようなことから、トラブルを起こしている歯を的確に診断するためには、お口の中をさわって確認するだけではなく、上下の歯を同時に見ることのできる口全体のレントゲン写真を撮る必要があるのです。感覚に頼るのではなく、しっかりと写真でどうなっているのか確認してどの歯がどのような状態になっているのか把握することが大事ですね。
もちろん、歯が痛む箇所が自分の思っていた場所と違っていたからといって、お口の中でどこかの歯が痛みがあるということに変わりはありません。痛みを放置することは症状が悪化してしまうことにつながります。なので、歯医者に行くべきかどうかなぁと悩まずに、我慢する前にロコクリにご連絡くださいね!