神戸市東灘区岡本にある歯医者さん、阪急岡本駅から徒歩2分の岡本歯科ロコクリニックです。
今回も引き続き副鼻腔炎によって起こる症状についてお話したいと思います。
前回のご説明に引き続いて、副鼻腔炎による歯の痛みをもう少し細かくご説明しましょう。
まず上顎の奥歯が痛い場合です。
副鼻腔炎になると上顎の奥歯全体が痛くなることがあります。上顎の奥歯の根は副鼻腔に入り込んでいることが多く、副鼻腔炎になると炎症が根の先から伝わり、上顎の奥歯が痛くなります。親知らずが生える場所と非常に近いですので親知らずが生えてきたのかと錯覚することもありますし、重篤な虫歯だと勘違いしてしまうこともあります。
何もしなくてもヅキヅキする場合もあります。
副鼻腔炎によって、歯根の先や歯の神経を強く圧迫してしまい激痛が出ることがあります。副鼻腔炎が改善されれば歯根部や歯全体の痛みは治ることが多いのです。ですが、改善されるまでは痛みの強さが虫歯の痛みと非常に似ているために、虫歯治療が必要なのではないかと感じることもあります。
噛み合わせた時に痛む場合もあります。
副鼻腔炎によって歯の周りにある歯根膜(しこんまく)という器官に炎症が広がり、噛んだ時に痛い感じがします。歯根膜は何かを噛んだ時に硬い、軟らかいなどを判断する器官です。
歯の根が浮いた感じがするときもあります。
副鼻腔炎によって根の先に圧力が加わり、歯が歯茎から押し出されるように浮いた感じを覚えることがあります。通常、このように歯の根が浮いたような感じがある場合は、歯周病の治療やかみ合わせの調整などが必要です。ですが、副鼻腔炎によって歯の根が浮いたように感じるときは、当然のことですが副鼻腔炎の治療をすることが必要です。
このような歯の痛みを感じることが多いです。副鼻腔炎が歯の痛みの原因であると判断するには、最終的にはCTなどを撮影し診断する必要があります。原因が鼻からくる副鼻腔炎であれば、抗生剤を服用することによって歯の痛みもなくなります。
副鼻腔炎の治療法はどんなものでしょうか。
①薬物治療
副鼻腔炎の治療法として一般的なものは抗生物質による治療です。抗生物質を服用することで、細菌の増殖を抑えます。細菌の増殖を抑えると炎症も治まりますので、徐々に症状が沈静化していきます。病院によっては抗生物質ではなく漢方薬や消炎酵素薬が処方されることもあるでしょう。
内服薬ではなく、ネブライザーを使って薬剤を吸入することもあります。薬品を霧状にしますので、副鼻腔まで届きやすくなります。この場合も消炎酵素薬や抗生物質が薬品として用いられます。