立ち止まって考えてみよう

神戸市東灘区岡本にある歯医者さん、阪急岡本駅から徒歩2分の岡本歯科ロコクリニックです。待ち時間の少ない、ほぼ無痛(痛くない)虫歯治療、しっかりとした説明、日曜診療などに取り組んでいます。
2021年3月26日、全国で初めて埼玉県で、エスカレーターは立ち止まった状態で利用しなければならない、とする「エスカレーターの安全な利用の促進に関する条例」が成立しました。県は、罰則はありませんが周知が不十分な管理者に指導や助言、勧告ができると定めています。日本といわず世界でも慣習として深く根付いている片側あけのルール。今までも問題視されてはうやむやになっていたようですが、これを機に変わっていくのでしょうか。
エスカレーターにおける片側あけが初めて出現したのは、第二次世界大戦時の英国・ロンドンの地下鉄だと言われています。当時の英国は戦時体制下。社会全体で効率向上が求められていた時期で、その施策の一環でした。日本で片側あけが始まったのは1967年ごろ、大阪・阪急電車の梅田駅が最初で、その後、1980年代後半から90年代にかけて東京でも同様の現象がみられるようになりました。片側あけは、英国や日本以外でも広く普及しています。米国やフランスなどでも見られるルールです。中国でも北京や上海などの都市部では五輪や万博を機に当局が要請し、韓国でもワールドカップを機に片側あけの導入が進みました。米、仏、中、韓、大阪は右側に立って左をあけますが、オーストラリアやシンガポール、東京は左側に立って右を空けます。
近年、片側あけ廃止の声が高まっているのは「危ないから」「エスカレーターは片側に立つように設計されていないから」といった理由です。なるほど、事故件数は年間1475件と決して少なくありません。一方で、効率が要求される国や地域・場所においては片側あけをするメリットも確かにあると思います。これらの意見にはどちらも一理あり一方が間違っているというものではありません。そこで、一律に廃止するか続行するかという二極論ではなく、片側あけを使い分けることで問題とストレスをある程度、解消することはできるのではないでしょうか。デパートやショッピングセンター、文化施設、観光施設など急ぐ必要のない場所では片側あけをやめ、駅などの急ぐ人が多い場所や時間は片側あけを継続するといった具合です。ただ、こういう生活の中のルールを変えていくには、非常に時間と労力を要します。冒頭に紹介した埼玉県の条例も、本気でルールとして運用するなら、これが定着するまで、相当のマンパワーと覚悟が必要になると考えます。
これからの時代は、社会ルールも多様性を前提とした設計が欠かせません。片方の立場だけを主張する極端な意見をぶつけ合っていては、世の中はますます生きにくくなります。みんなが折り合いをつけて尊重しあうことで暮らしやすい社会になることを願います。

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