神戸市東灘区岡本にある歯医者さん、阪急岡本駅から徒歩2分の岡本歯科ロコクリニックです。待ち時間の少ない、ほぼ無痛(痛くない)虫歯治療、しっかりとした説明、日曜診療などに取り組んでいます。
みなさんは「口腔機能低下症」という言葉を聞いたことがありますか?まだあまりなじみがないかもしれません。今回も引き続き口腔機能低下症について、お話したいと思います。
ここで気になるのは、口腔機能低下症を引き起こす原因です。症状も多岐にわたるため、原因もいろいろと考えられるのです。
まずいちばんの原因は「加齢」です。年齢を重ねると、口の中の「感覚」や「咀嚼」「飲み込み」「唾液の分泌」などが徐々に低下してきます。そうしたひとつひとつが、口腔機能低下症の症状を起こしていきます。
もちろん、虫歯や歯周病などで歯を失ったり、具合が悪くなったり、義歯が合っていなかったり、といったことも症状の原因になっていきます。日ごろの歯みがきなどのケアが行き届かないと、口の中の環境が悪くなっていきます。
全身のさまざまな病気によっても口の中の機能は低下しやすくなります。それ以外にも、何かの病気のために投与された薬の副作用や、栄養が行き届かない状態なども関係してきます。
つまり口の中の機能低下は、さまざまな要因が複合的に影響してきます。生活全体、自分の体調や健康管理といったものへのケアと、口腔機能へのケアは密接に結びついているのです。
でも、ただ口の中が乾きやすくなっただけでしょ、とか、滑舌が悪くなっただけでしょ、とか、思っていませんか?
口の中の機能が低下することは、決して軽く見てはいけません。
口腔機能低下症が進行すると、全身的な健康が損なわれていきます。そのままにしておくと、なにより食べることが楽しくなくなり、外出も楽しくなくなって人との交流も少なくなり、いっそう外出しなくなってしまいがちです。
歯が悪くなると、噛み応えのあるものが食べられなくなり、柔らかい炭水化物を多く摂る様になります。タンパク質を多く含む肉を食べなくなり、ひいては筋力が減り、体力も弱っていきます。筋肉が落ちると日常的な動作に支障をきたし、歩いたり、階段を上るのが辛くなり、外出もさらに減っていきます。
このように、お口が弱ってくることは、全身が弱ってくることに直結し、日常生活に支障をきたしてしまいかねないのです。口の中の機能低下があまりに進行してしまうと、もはや元に戻ることはできません。口腔機能低下症は自分が気が付かないうちに進行します。症状のある方は勿論ですが、症状のない方でも65歳を過ぎたら定期的な検査をして早め早めのケアをお薦めします。
少しでも口の中の症状で気になることがあるようでしたら、ぜひ歯科医院で検査を受けましょう。
口腔機能低下を食い止める方策も、歯科医師と一緒に練りながら考えていきましょう。
検査によってケアすべきポイントが明確になれば、歯科治療だけでなく、食事の際の食べ物の選定や食事の仕方、食べる際の道具のチョイスなど、食全体を考えた栄養指導、生活指導をしてもらえるはずです。また運動指導も大事になってきます。まずは歯医者さんを入り口にして、ともに考えながら、お口の機能低下をしっかりと防ぎ、回復を目指していきましょう。