神戸市東灘区岡本にある歯医者さん、阪急岡本駅から徒歩2分の岡本歯科ロコクリニックです。
今回は、乳酸菌のお話をしたいと思います。
歯科と乳酸菌はどんな関係があるのかでしょうか?
まず、腸内フローラからお話します。
腸内フローラって、聞いたことありますか?最近耳にする機会も多くなってきましたね。
私たちの腸内にはたくさんの細菌が生息しています。多種多様な細菌がいます。
細菌は腸内でそれぞれの細菌の生息バランスを取りながら生活をしています。
顕微鏡で腸の中をのぞくと、この細菌たちはまるで植物のように群生している「お花畑(Flora)」のように見えることから腸内の細菌叢を腸内フローラといいます。
腸内フローラの研究が20世紀以降に飛躍的に進展し、腸内フローラがクローン病や潰瘍性大腸炎といった炎症性腸疾患、大腸がん、肝臓がん、アレルギー疾患、脂質異常症、高血圧、糖尿病などの生活習慣病の発症に深く関わっており、腸内有用菌を増やし腸内有害菌を抑制することで腸内フローラのバランスを良好に保つことが疾患の予防に重要ということが解明されました。
次はプロバイオティクスについてです。腸内有用菌に対してプロバイオティクスという言葉が使われるようになりました。
代表的なものに乳酸菌やビフィズス菌があります。
プロバイオティクスは抗菌薬(アンチバイオティクス)に対比して作られた言葉です。
抗菌薬は細菌増殖を抑制し、殺菌する薬であるのに対し、プロバイオティクスには共生するという意味ももちます。
プロバイオティクスを「適切な量で投与されると宿主に健康上の利益を与える生菌」と定義し、現在では腸への活用に限らず生物のもつすべての機能を包括した定義になりました。
では、乳酸菌とビフィズス菌の違いはなんでしょうか?
乳酸菌とビフィズス菌はともに、人や動物の腸内いる菌で、大量の乳酸を生産する菌です。
乳酸菌は、牛乳・乳製品や漬物などの発酵食品にも生息していますが、ビフィズス菌はおもに人や動物の腸内に生息する菌です。また、ビフィズス菌は乳酸の他にも酢酸も産生します。
乳酸菌にもビフィズス菌にも数多くの菌種や菌株が存在し、酸産生能、抗菌性、免疫調節作用などにおいて、菌特有の性質をもちます。
お口の中と乳酸菌の関係についてもお話しますね。
お口の中におけるプロバイオティクスの働きとして、微生物やプラーク(磨き残しの塊・歯垢)への直接的作用と口腔組織や全身への間接的作用の2つがあります。
直接的な作用としては、細菌同士や細菌とタンパクとの結合への作用によるバイオフィルム(細菌が作り出す膜)に対する影響や、ほかの細菌との栄養素の競合、病原菌に対する抗菌物質の産生などがあります。
間接的作用としては、局所や全身の免疫機能の賦活化や細胞透過性の制御による口腔軟膜組織への病原菌の侵入制御、口腔フローラの改善などがあります。