神戸市東灘区岡本の歯医者さん、
阪急岡本駅から徒歩2分の歯科医院、
岡本歯科ロコクリニックです(^ ^)
歯周病の原因菌がアルツハイマー病に関連しているという研究結果が出たようなので、報告させていただきます!
歯周病の原因菌がアルツハイマー病に関連している可能性を示す研究結果
松岡由希子
<慢性歯周炎の原因細菌であるポルフィロモナス・ジンジバリス菌がアルツハイマー病患者の脳内で確認されたという研究は発表された>
ということなのです!
ポルフィロモナス・ジンジバリス菌というのは、歯周病の原因菌の中でも強力な菌なのですが、
意外と多くの人の口の中にいる菌なのです。
そして、アルツハイマー病(アルツハイマー型認知症)」は、どういう病気かというと、
「アミロイドβ」という特殊なタンパク質が脳内に蓄積し、
正常な神経細胞を変化させることで、
脳の働きを低下させたり、
脳を萎縮を進行させたりする脳疾患です。
この特殊なタンパク質によって、
脳の神経細胞を壊していく病気なんですね。
そして、この「アミロイドβ」は従来、
脳組織で生成されるものと考えられてましたが、
血液循環によって生成された「アミロイドβ」が脳内に入り込んで蓄積し、神経細胞の機能を損なわせることを示す研究結果が出てきています。
さらに緑内障、加齢黄斑変性(AMD)、糖尿病網膜症(DR)など、加齢に伴う眼疾患とアルツハイマー病発症リスクとの間に関連があるとの研究結果も明らかになっているようです。
そして最近になって、口腔内の細菌とアルツハイマー病とのつながりを示す研究結果が発表されたのです。
米ルイビル大学のヤン・ポテンパ博士らの研究チームは、2019年1月23日、オープンアクセスジャーナル「サイエンス・アドバンシーズ」において、「慢性歯周炎の原因細菌であるポルフィロモナス・ジンジバリス菌がアルツハイマー病患者の脳内で確認された」との研究論文を公開しました。
この研究結果によると、
脳内には、ポルフィロモナス・ジンジバリス菌のほか、
ポルフィロモナス・ジンジバリス菌が産生する
毒性プロテアーゼ「ジンジパイン」も確認されており、
そのレベルは、アルツハイマー病と関連のある「タウ・タンパク質」や「ユビキチン」との相関が認められているようです。
また、研究チームでは、マウスの口内にポルフィロモナス・ジンジバリス菌を感染させたところ、6週間後には脳内でポルフィロモナス・ジンジバリス菌が確認され、脳内の「アミロイドβ」も著しく増加した。
これらの研究結果について、ポテンパ博士は、「ポルフィロモナス・ジンジバリス菌とアルツハイマー病の病因とのつながりを示すものだ」と評価する一方、
「因果関係を裏付ける証拠としては十分でなく、今後、さらなる研究が必要だ」と述べている。
さらに、この研究では、
「ジンジパイン」を阻害する分子標的療法によって、
ポルフィロモナス・ジンジバリス菌の脳内での感染を抑制し、
「アミロイドβ」の産生を妨げられることも示した。
歯周炎の原因菌を阻害することで、
「アミロイドβ」の産生を妨げ、
神経炎症を抑制し、海馬の神経細胞を守る
といった新しい治療法への道をひらく第一歩としても期待が寄せられている。
ということなのです!
歯周病の原因菌は、当然ですが口の中に定着します!
それを阻害することで、アルツハイマー病の進行リスクを下げられるということなのです。
口の中が全身の健康に関与していると、いろんなところで言われるようになっていますが、
これも大きな発見だと思います!
訪問歯科の分野でも、口腔ケアをしっかりして、
歯周病の原因菌を阻害していくことが、
アルツハイマー病の予防に適していると言えるので、
これからも少しでも皆様のお役に立てるように
取り組んでいきたいと思います!