神戸市東灘区岡本にある歯医者さん、阪急岡本駅から徒歩2分の岡本歯科ロコクリニックです。
さて今回は、“舌”にスポットを当ててお話をさせていただきたいと思います。
そもそも舌は何のためにあるの? と考えてみますと実に様々な役割を果たしていることに気が付きます。
まず一つ目は、味を感じ取る器官としての舌。
舌の表面には味蕾とよばれる味を感じ取る部分が多数存在します。一つの味蕾がどんな味も感じ取っているわけではなく、甘さを感じやすい味蕾・しょっぱさを感じやすい味蕾・苦みを感じやすい味蕾 など、味蕾の種類によって感じる味が違います。
この味蕾があるから、食べ物の味を感じることが出来、それを欲し、それを幸せに感じることが出来るのだと思います。
ちなみに、この味蕾の数が多いほどより味を繊細に感じることが出来るといわれていますが、人間の味蕾の数はおおよ7,000~8,000個。乳児では10,000個ほどありますが加齢と共に減っていくようで65歳以上では5,000くらいまで減ってしまうこともあるようです。
他の動物では、犬は約1,700個、猫は約500個だそうですから、人間の方が味に対しては敏感といえるでしょうね。ただ猫や犬は嗅覚が人よりもずっと優れていますから、それが味覚の少なさを補っているのかもしれませんね。
逆に草食動物は人間よりも味蕾がずっと多く存在し、ウサギは約17,000個、牛はなんと約25,000個だそうです。
基本的には摂食の際丸のみをするような動物の味蕾は少なく、よく噛んで食べる動物ほど味蕾の数が多くなる傾向があるようです。
そう考えると牛の食べているあの草は、牛にとっては深みのある、物凄く美味しいご馳走なのかもしれませんね!
一度、どんないつもどれだけの味を感じているのか経験してみたいものですね。
そして、よく噛む、よく噛める、ということは食事を愉しむためにやはり欠かすことのできない大切な行為なのだとつくづく実感します。
さて、加齢で味蕾が減少し、味覚が衰える理由の一つだと申しましたが、もう一つの大きな原因は亜鉛不足だといわれています。
亜鉛の量が不足すると、味蕾の新陳代謝が十分に行われなくなりその結果味覚障害が現れるようです。
亜鉛不足は、喫煙、インスタント食品やファストフードをよく食べる、お酒をよく飲む、食生活の乱れなどで起こるようです。
食事を美味しく摂り続けるためには、普段からの生活習慣がとても大きく関係してくるのですね。
食欲の秋、みなさんも旬の味覚を存分に楽しんでくださいね!