タイトル:レントゲン写真って必要なの?
神戸市東灘区岡本にある歯医者さん、阪急岡本駅から徒歩2分の岡本歯科ロコクリニックです。
みなさんは、歯科を受診したときに治療しようと思っていたわけではない思わぬ場所にほかの虫歯が見つかって驚いたという経験はありませんか?
実は、歯科の病気というのは、目で見て発見ができたり、痛みが出て気付くものばかりではないのです。
痛みのないまま、隠れたところや見えないところで知らないうちに広がるケースの方が、むしろ問題が大きいのです。
歯を失う大きな原因というのは、虫歯と歯周病です。
虫歯が外から見えない歯根に深く広がっていたり、歯周病で歯根を支えている骨が吸収しているのを知らずにいると、大事な歯を失ってしまうかもしれません。
歯には、見える白い部分の歯冠部と呼ばれるものと、歯茎の下に潜っている歯根部という部分があります。
また、歯を支える骨となる歯槽骨と呼ばれる部分、顎の関節など、歯科領域では様々な部分を診なければなりません。
そのため、虫歯になった場合、その虫歯がどれくらい進行しているかを判断するためにレントゲン撮影を行います。
歯周病の場合は、歯を支える歯槽骨がどの程度吸収されているかを診る為にレントゲン撮影を行います。
顎が痛かったり音がする場合は、顎関節の状態を診るためにレントゲン撮影を行います。
歯科では、このような硬い組織をたくさん扱うので、レントゲン撮影はかなり重要となってくるのです。
もしレントゲン写真なしで治療するとすると、中が見えない箱に手を入れる様なもの。バラエティ番組でやっている『箱の中身は何でしょね?』というゲーム状態です!しっかりと虫歯が取り切れているのか?歯石は取り切れているのか?などもわからないのです。
しかし、箱の中が見えれば、中身をしっかりと確認して治療していくことができます。
皆さんは、放射線というものは漠然としかわからないのではないでしょうか。とりあえず、放射線は怖いというイメージをお持ちかもしれません。
では、放射線とはどのようなものなのでしょうか。
放射線と一括りに言っていますが、実は様々な種類の放射線があり、自然界にはたくさんの放射線があります。実は、毎日の生活の中でもたくさんの放射線が存在しており、私たちはたくさんの種類の放射線を浴びているのです。
宇宙から宇宙線と呼ばれる放射線、地面からの放射線、建築物からの放射線など、私達は自然放射線と呼ばれる放射線を日常生活で浴びています。
それは、年間2.4mSv(ミリシーベルト)の放射線の量にもなると言われています。毎日浴びているのにも関わらず、特に問題は感じないですよね?
すなわち、これくらいの量の放射線を浴びたからといって、人体に影響はないということになります。
ちなみに、宇宙に近づけば宇宙線をたくさん受けますので、飛行機にのると地上より多くの宇宙線を受けることとなります。でも、パイロットやCAの方々は問題なく生活を送っているので、とくに問題はないということになります。
それでは、歯科で用いるレントゲンではどれくらいの放射線が出るのか。
実は、パノラマX線写真撮影では約10μSv(マイクロシーベルト)、デンタルX線写真撮影では約約10〜25μSvとなります。
単位が微妙に違いますが、mSvはμSvの1000倍となりますので、実は一年で浴びる放射線の250分の1から100分の1程度しかレントゲン撮影では放射線を浴びないのです。
言い換えると、歯科でのレントゲン写真撮影では、日々の生活での1日半から3日分しか放射線を受けないということになります。
また、医科の放射線に比べて、歯科の放射線の量はかなり小さいので、非常に安全であります。
治療の精度を上げるためにも、なにとぞご理解とご協力をよろしくお願いいたします。