神戸市東灘区岡本にある歯医者さん、阪急岡本駅から徒歩2分の岡本歯科ロコクリニックです。
引き続き入れ歯安定剤のお話です。
入れ歯安定剤は、応急的にお使い頂くのにはとても便利なものですが、長期間使い続けるのはおすすめしません。入れ歯安定剤を長期間使う事により、噛み合わせがおかしくなってしまったり、顎の骨が痩せてしまう事があります。噛み合わせや顎の骨の状態に変化があると、それまで使っていた入れ歯を調整してもお口に合わなくなってしまいます。
又、新しくお作り頂く際にも、まず正しい噛み合わせに戻すまでのトレーニング期間を設けなければならず、入れ歯を作るのに時間が掛かってしまいます。
入れ歯安定剤は歯科医師の指導があった場合や、歯科医院に行けない間の応急的な対処法としてご使用頂き、入れ歯に不具合がある場合は不具合の原因が何かをまず診てもらって下さい。
また、就寝中は入れ歯安定剤を使用しないということにはお気をつけください。
就寝時は歯茎を休める為にも入れ歯を外してお休み頂く事をおすすめしていますが、就寝時にも入れ歯を入れていたいという方もいらっしゃいます。
就寝時にも入れ歯を装着される方は、入れ歯安定剤を付けたままの状態でお休みになるのは避けて下さい。
時間と共に入れ歯安定剤が溶け出し、溶け出したものが喉の方に流れていくと、窒息を招く恐れがあります。就寝時には必ず入れ歯安定剤を剥がして下さい。
コンフォート床のようなシリコーンで加工されている入れ歯にはお使い頂けません。
入れ歯安定剤を剥がす際にシリコーンが剥がれてしまったり、シリコーンにくっついて入れ歯安定剤を取り切れなくなってしまう事がある為です。
入れ歯安定剤のご使用をお考えの方は、商品のパッケージをご覧頂き、ご自身の入れ歯に使用出来るものかどうかを必ずご確認下さい。
入れ歯安定剤に含まれる成分が合わず、発赤や腫れ、痒みなどの症状が現れる場合があります。
そういった場合はすぐに使用をやめ、歯科医師や医師、薬剤師にご相談下さい。入れ歯安定剤の種類によっては、粘着力がとても強く剥がしにくいものもあります。
義歯ブラシを使用し、入れ歯の表面がツルツルになるまで綺麗に洗って下さい。洗浄の際に熱湯を使ってしまうと、熱によって入れ歯が変形してしまいますので、ぬるま湯で洗って頂くと良いでしょう。
お口の中の状態は常に変化しています。その為、入れ歯を作製されてからある程度の期間が経つとゆるくなってしまったり、部分的に強く当たる箇所が出て来てしまったりと、様々な入れ歯の不具合を引き起こします。もし入れ歯が合わないと感じられたら、出来るだけ早く歯科医師にご相談頂き、入れ歯の調整をしてもらって下さい。何も不具合を感じられていない場合でも、専門家の目で見ると少しずつお口の状態と入れ歯の状態が違ってきている事が分かります。定期的に検診を受けて頂くと安心です。
入れ歯安定剤は、正しくお使い頂ければとても便利なものですが、歯科医師の指導のもと正しくお使い頂く事が大切です。又、商品によっては2〜3日連続してお使い頂けるものもありますが、その日数を超えて使い続ける事は衛生上良くありません。菌が繁殖すると、歯茎に炎症を起こす可能性がありますので、必ず用法を守って下さい。