神戸市東灘区岡本にある歯医者さん、阪急岡本駅から徒歩2分の岡本歯科ロコクリニックです。
高齢者が虫歯になると、進行が早く、すぐに重篤な状態になってしまうことがあります。なぜ高齢者の虫歯は進行が早いのか、そして、高齢者が虫歯治療をすることでどのようなメリットがあるのかについて引き続きお話していきたいと思います。
誰にとっても、虫歯に気付いたらすぐに治療することは鉄則です。では、なぜとりわけ高齢の方こそすぐに治療すべきと言えるのでしょうか。
①動脈硬化のリスクが増える
虫歯と歯周病とは切っても切れない関係にあります。大まかに分けると、細菌によって歯が浸食される状態が虫歯、歯肉や歯の根元が浸食される状態が歯周病と言えます。いずれも細菌によって引き起こされる疾病ですが、この細菌は虫歯や歯周病だけでなく、動脈硬化も誘発することが分かっています。
厚生労働省でも歯周病の予防が動脈硬化の予防になり、結果として脳梗塞や心筋梗塞、狭心症の予防になると説明しています。血管の健康を守り、脳と心臓に充分な血液を送るためにも、虫歯や歯周病が重篤な状態にならないうちに早く治療する必要があると言えるのです。
②糖尿病のリスクも増える
虫歯菌や歯周病菌が影響するのは、動脈硬化だけではありません。歯茎に炎症が起こった状態が続くと炎症性サイトカイン・TNF-αという物質が放出され、膵臓から分泌されるインスリンの働きが阻害されるようになります。インスリンの働きが阻害されると血糖値が低下せず、高血糖状態が続くことになり、糖尿病になってしまうのです。
糖尿病になると失明や腎不全などを引き起こすこともあります。糖尿病のリスクを低減させるためにも、口内に異常を感じたらすぐに治療をすることが勧められるのです。
③肺炎になることも
高齢者の死因の中でも上位に上がる「肺炎」。実は肺炎も、虫歯菌や歯周病菌から発生することがあるのです。肺炎は肺がウイルスや細菌にかかることで起こる病気ですが、食べ物や唾液に口内細菌が混じり、それらが肺に誤って流れ込んでしまうことでも引き起こされます。このような肺炎を「誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)」と呼びます。
特に高齢者や寝たきりの人は、飲み込む力が衰えていることが多いですので、誤って唾液や食べ物を肺に飲み込んでしまうことがあります。普通の食べ物や唾液なら良いのですが、細菌がついた食べ物などなら肺炎へと進行してしまうかもしれません。
初期の虫歯なら麻酔を行わなくても簡単に治療をすることができます。ですが、虫歯が進行していると、麻酔が必要になったり、抜歯しなくてはいけなくなったりするでしょう。