タイトル:コロナウイルスを予防する口腔ケア②
神戸市東灘区岡本にある歯医者さん、阪急岡本駅から徒歩2分の岡本歯科ロコクリニックです。
新型コロナウイルス感染の初期症状として、味覚障害が起こる事があるのは、ご存じの方も多いと思います。
実は、初期症状として味覚障害が起こるのは、舌や口の中の口腔粘膜に多く存在すると考えられるACEⅡ(アンジオテンシン・ツー)と呼ばれる受容体が関係している可能性が高いのですが、それと合わせて口腔ケアも関係している可能性が考えられるのです。
実は、口の中の健康状態と、ウイルス感染症の関係については、すでに100年以上前から調査研究が行われています。
100年前のスペインインフルエンザの感染拡大時の調査研究では、歯周病や虫歯などの歯科疾患のあった人達は、インフルエンザに感染して重症になる割合が高かったのに対して、歯科疾患のなかった人達は、インフルエンザに感染する割合が低かったようです。
それでは、どうして口の中を清潔にして、歯周病や虫歯などがない健康な状態を保つ事が、新型コロナウイルスに感染した場合でも、重症化を抑えられる可能性が高くなるのでしょうか。
まず、歯周病菌は血液を介して全身に広がり、糖尿病や動脈硬化などの全身疾患を悪化させる原因になる事が知られています。
そして、新型コロナウイルスに感染しても、軽症で済む方が多いなか、糖尿病などの持病がある方が重症化する傾向があるため、歯周病の方は、そういった意味でも、新型コロナウイルスが重症化するリスクが高くなるのです。
また、実際に新型コロナウイルスに感染すると肺の免疫力が低下し、ウイルス性の肺炎を起こします。
すると、ウイルス性肺炎により、肺の肺胞がダメージを受けます。
こうなると、通常は無害の細菌でも、ダメージを受けた肺胞が感染して、細菌性肺炎を起こしやすい状態になります。
その状態で、口の中の歯周病菌や虫歯菌などの細菌が肺に入ると、新型コロナウイルスによる肺炎に加え、口の中の細菌による肺炎を起こしてしまいます。
つまり、新型コロナウイルスによるウイルス性肺炎、そしてお口の歯周病菌や虫歯菌などによる細菌性肺炎が同時に起こり、ダブルアタックという状態により全身にウイルスが撒き散らされ、肺炎が重症化してしまうのです。
そのため、口の中を歯周病や虫歯などがない健康な状態に保つ事は、新型コロナウイルスに感染した場合でも、重症化を抑えられる可能性が高くなるのです。