神戸市東灘区岡本にある歯医者さん、阪急岡本駅から徒歩2分の岡本歯科ロコクリニックです。待ち時間の少ない、ほぼ無痛(痛くない)虫歯治療、しっかりとした説明、日曜診療などに取り組んでいます。
みなさんは、毎日ちゃんと歯を磨いているのに、いざ歯医者さんに行くと「磨けていませんね」と言われたことはないでしょうか。
実は「磨いている」ことと「磨けている」ことは大違い。虫歯や歯周病にならないためには、もちろん「磨けている」ことが大事です。
ではいったいどうしたら、「磨いている」ではなく「磨けている」になるのでしょうか?今回は、歯磨きのポイントをお教えします。
●虫歯になってしまう原因とは?
みなさんは、虫歯や歯周病にならないために、毎日歯を磨いていることと思います。
ではそもそも、虫歯はなぜできるのでしょうか?
虫歯になってしまうのには、4つの条件があります。
① 歯(宿主)があること。
これは当然ですよね。生後半年くらいまでの乳幼児と上下総入れ歯の老人は虫歯になりません。歯がないからです。逆に、歯があれば、いつでも虫歯になってしまう危険があるのです。
② 細菌(プラーク)がいること。
虫歯をおこしているのは、なんと、「細菌」なんです。ミュータンス菌に代表される、いわゆる「虫歯菌」の仕業でできるものなのです。生まれた直後の赤ちゃんは、お口の中に虫歯菌はいないと言われています。親からの口移しや同じスプーンを使うことなどによって、後から虫歯菌が口の中に入ってくるのです。そうして細菌にさらされている私たちはみな、虫歯になる可能性があるわけです。
③ 糖があること。
ここでいう糖は砂糖のことだけではありません。お米も、唾液によって分解されて糖に代わりますし、果物にも果糖という糖があります。こうした口の中に残った糖は、実は細菌の餌になってしまいます。糖を食べた細菌は、代わりに酸を出していきます。その酸が、歯を溶かしてしまうことで起きるのが虫歯なのです。
④ 時間。
それともう一つ重要なことがあります。それが「時間」です。
細菌(プラーク)が糖を分解して酸を出し、歯を溶かしてしまうまでには時間がかかります。ということはつまり、歯が溶けてしまうその前に虫歯菌を取り除き酸をなくしてしまえば、虫歯にならずに済むわけです。
歯を溶かすのにはある程度の時間がかかるので、その前に細菌を除去してしまおうというのが「プラークコントロール(PC)」です。お口の中から歯をなくすことはできません。細菌の数を0にすることもできません。食べ物から糖を除去することもできません。しかし、第4のファクターである「時間」についてなら、対処は可能です。歯を溶かす原因になる酸を細菌が作り出すその前に、しっかり除去することが、虫歯予防につながるのです。
●「磨けている」の誤解とは?
そもそも「歯を磨く」という言葉を私たち歯科医や歯科衛生士が言うときは、それは単に歯ブラシを使って磨くことを意味しているのではありません。歯についたプラーク(歯垢)を可能な限り除去することで、虫歯や歯周病からお口の中を守り、健康な状態を維持することを「歯を磨く」と言っています。それを自宅でご自身がしっかり行えるようであれば「磨けている」ということになります。
もちろんほとんどの方はご自身で歯を磨いていますし、「磨けている」とも思っていることでしょう。しかし、実際にチェックをしてみると、残念ながら「磨けていない」人が本当に多いのです。
歯磨き粉を使うと、とても清涼感がありますよね。その清涼感がお口全体に行き渡ると、そのことで多くの人は「磨けた」と思ってしまうようです。そこに落とし穴があります。歯磨き粉の清涼感でお口の中がすっきりしたことがゴールではありません。「磨けている」、つまり、いかにプラークを除去し虫歯や歯周病にかからなくするかが真のゴールなのです。