神戸市東灘区岡本にある歯医者さん、阪急岡本駅から徒歩2分の岡本歯科ロコクリニックです。待ち時間の少ない、ほぼ無痛(痛くない)虫歯治療、しっかりとした説明、日曜診療などに取り組んでいます。
引き続き過剰歯について、その原因や種類、過剰歯が引き起こす影響、治療法などについてお話していきましょう。
存在する理由がよく分からず、種類も多い過剰歯なのですが、過剰歯もしくは過剰歯が生える人には次のような特徴があります。
①1本だけ存在することが多い
多くの場合、過剰歯は1本だけ存在します。2本以上が1人の人に見られることもありますが、稀だと言うことができます。
②通常の永久歯よりも小さいことが多い
過剰歯が成長しても、周囲の永久歯よりは小さいことが多いです。奥に過剰歯が生えるなら周辺の臼歯より小さく、前方に生えるなら前歯より小さめであることが一般的です。
③永久歯として生えることが多い
乳歯の中に過剰歯が混じっていることは稀だと言えます。ほとんどの場合、永久歯として存在しますので、永久歯が生えてくるタイミングや永久歯が生えそろってからのタイミングで過剰歯の存在に気付きます。
④男性に生えることが多い
過剰歯は男性に生えることが多いです。原因は解明されていませんが、男児の前歯が生え替わる時点で見つかるケースや、男児の歯列異常から見つかるケースが多いです。
⑤上あごに生えることが多い
過剰歯は、上あご部分に生えることや上あごの歯肉の中で発見されることが多いです。下あごに見られるときもありますが、その場合は、臼歯の位置に生えたり、臼歯部分の歯肉の中で発見されたりするケースが一般的です。
⑥四角い形が少ない
歯として成長する場合も歯肉の中で成長する場合も、過剰歯は、一般的な永久歯の形状とは少し異なり、角がはっきりとしない丸っぽい形であることや一部に鋭利な角を持つ三角形に近いことが多いです。これは、成長するスペースが充分にないことや歯本来の機能を果たす必要がないこととも関係があると見られています。
過剰歯は、様々なトラブルを起こす原因となってしまいます。過剰歯があることで次のような影響が起こってきます。
①永久歯が生えてこない
上の中切歯の間に過剰歯(正中過剰歯)があると、永久歯が生えてこないことがあります。これは過剰歯の存在が、正常な永久歯の成長を妨げてしまうために起こるトラブルです。
歯茎を切開して過剰歯を抜歯すれば永久歯が出てくるようになりますので、なるべく早くに気付くことが大切です。前歯の永久歯が左右ほぼ同時期に生えてこないときや乳歯が抜けてから3ヶ月以上経つのに永久歯が生えてこないときは、歯科医院で相談してみるようにしましょう。発見や治療が遅れると、永久歯がまっすぐに生えずに矯正治療などが必要になることもあります。
②上の前歯がすきっ歯になってしまう
こちらも正中過剰歯によく見られるケースです。過剰歯が2本の前歯の真ん中にあるために、出てきた2本の歯が異常に離れていたり、ハの字の形に開いて生えたりするのです。本来ならば、奥歯が数年遅れて生えてくるため、永久歯は少々すきっ歯になっていても普通です。しかし、乳歯の時点ですでにすきっ歯になっていたり、生えてきた永久歯が極端なハの字になっていたりするときは過剰歯を取り除かなくてはなりません。
③永久歯の歯根を溶かしてしまう
過剰歯が骨に埋まったまま成長すると、他の正常な歯の歯根を押したり、その歯根を溶かしてしまうことがあります。レントゲンで歯根部分の写真を撮影すると、正常な歯の歯根が横向きの過剰歯と一体になっていたり、正常な歯の歯根が途中で切れていたりするように見えることがあるのです。
④のう胞を作ってしまうことがある
過剰歯が歯肉の中にとどまっている場合に、周囲に「のう胞」と呼ばれる袋状の病変を作ってしまうことがあります。こののう胞は大きくなって永久歯の歯根を圧迫して溶かしてしまうことや、正常に生えている歯が感染を起こした時にのう胞部分に感染が広がり、大きく腫れたりすることがあります。
⑤細菌感染が広がることもある
虫歯になって神経が壊しした場合に、その虫歯の根元に過剰歯が埋まっていると、過剰歯も細菌に感染して痛みや腫れなどの原因になることがあります。過剰歯が細菌感染すると、単に虫歯の神経治療や抜歯を行うだけでは痛みなどの根本的な解決になりません。感染した過剰歯の抜歯も必要になりますので、歯肉の切開を伴う大掛かりな手術が必要になることもあるのです。