神戸市東灘区岡本にある歯医者さん、阪急岡本駅から徒歩2分の岡本歯科ロコクリニックです。
今日は洗口液と液体歯磨きの違いについてお話したいと思います。
皆さんは、洗口液と液体歯磨きの違いについてご存知でしょうか。
意外と同じものだと思っている方も多いと思いますが、実は使い方が全く違います。
まず、重要なことは、『洗口液は歯磨きとは別に使うもの』であり、『液体歯磨きは歯磨きのために使うもの』であるという点です。二つは似たものですが、コンセプトが違うのです。
洗口液は、お口の中をしっかり磨いた後や、口臭が気になるとき、お出かけ前のエチケットとしてうがいをするときに使います。日頃のブラッシングとは別に、+αとして使うイメージです。
それに対して、液体歯磨きはその名の通り、歯磨き粉の代わりに使うものです。むしろ歯磨き粉の一種といっていいと思います。ものによって、歯磨きの直前に吐き出してからブラッシングするものと、歯磨き中、口に含んだまま使うものがありますが、いずれにしても、ブラッシングと合わせて使うことを前提に作られています。
ですので、液体歯磨きでブクブクうがいしただけでは、メーカーが謳うような効果を得ることはできません。
例えばリステリンの場合、リステリンオリジナルやクールミントなどは洗口液ですが、より高機能なリステリンハグキケア、ムシバケア、トータルケアなどは液体歯磨きです。
リステリントータルケアにはいくつもの効果が書いてありますが、あくまで一緒にブラッシングした場合の話なので注意が必要です。
正しく使えば、虫歯や歯周病予防に効果的なものですので、どうぞ、使用法をよく読んでお使いいただければと思います。
虫歯や歯周病は細菌の集合体であるバイオフィルムによって引き起こされる病気です。バイオフィルムは菌体外マトリックスという一種のバリアーで包まれているため、薬が浸透しにくいため洗口液の効果は低いという説を耳にすることがあります。
確かに洗口液だけでバイオフィルムの奥底にいる細菌を死滅させることはできないため、やはり歯磨きで、物理的にバイオフィルムを破壊することが必要です。
しかし、そもそも洗口液でブクブクするだけで、歯磨きをしなくてOKです!と謳っている洗口液はありません。
洗口液はあくまで歯磨きの効果を補う、補助的な役割のものと考えるべきものです。そして、歯磨きの効果を補うものとしての位置づけでは、洗口液は十分効果があるものだといえます。虫歯や歯周病を予防するために積極的に活用していくべきだと思います。
洗口液には様々な種類があり、その効果も厳密にいえばそれぞれで異なりますが、配合されている抗菌剤の性質によって、大きく二つに分類することができます。イオン系抗菌薬を配合した洗口液なのか、非イオン系抗菌薬を配合した洗口液なのかです。
イオン系抗菌薬は、歯の表面やバイオフィルムの表面に付着し持続的に抗菌効果を発揮するというメリットがありますが、バイオフィルムの中には浸透しにくいというデメリットがあります。
イオン系の洗口剤には、塩化セチルビリジニウムを配合したガムデンタルリンスやモンダミン、塩化ベンゼトニウムを配合したネオステリングリーン等があります。
一方で、非イオン系抗菌薬は逆に、バイオフィルムに浸透しやすいメリットがありますが、効果が持続しにくいというデメリットがあります。
非イオン系の抗菌薬には、ポピドンヨードやエッセンシャルオイルを配合したリステリン等があります。
つまり、徹底的にプラーク除去できていることを前提に、歯の表面の抗菌効果を持続させたいなら、ガムデンタルリンス・モンダミン・ネオステリングリーンが効果的で、歯磨きと歯磨きの間のタイミングや、歯磨きでの磨き残しが予想される場合には、リステリン等が有効ということになります。
一長一短ありますので、どちらがいいとはなかなか言えないと思います。
また、ものによってはアルコールが入っているものなど、粘膜が過敏な方には向かないものもあります。
いずれにしても、洗口液は、虫歯や歯周病を予防するための有効なツールです。
詳しくはロコクリで相談して決めていただくのがいいかと思います!